オタク自由律俳句①
ツイッターですべてを知る
こんなに買うつもりじゃなかった
気に食わないから滝沢のせいにした
花鳥風月後に帰る人を少し目で追う
160円、わずかな誤差なので無視した
自担だけがあまり近くに来ない
意地を張って一枚
整理券など必要のない平日の昼間、確かな目的もなく地下に続く階段を下りる。
その場所にはネットで買える写真が幾つも並んでいる。
ネットで買えるはずの写真を必死に選ぶ人たちの姿もある。
平日の昼間にわざわざこんな場所を訪れるとはどんな事情があるのだろう。
夜働いているのか。
たまたま会社が休みだったのか。
もしかして水曜休みか。
いや、遠くから遊びに来る親戚のために有給を取ったら急に飛行機が止まってしまったのかもしれない。
そもそも働いているという保証もない。
親の金で遊び呆けている若者かもしれないし、
全休を手に入れた大学生かもしれない。
自分も同じ"平日の昼間にネットで買える写真をわざわざ買いに来た人"であることを忘れそんな想像を膨らませる。
しかしそんなどうでもいいことを考えている場合ではない。
重要な選択を迫られていることに気付く。
なぜかコーナーごとに分けなければいけない紙を何枚取るか、決める必要がある。
もっとはやくから考えておくべきだった。
はやく写真を見にいきたい気持ちが適切な判断を妨げる。
きっと一枚で足りるだろう。
鉛筆と、一枚で足りたことがないその紙を一枚手にして奥へ進む。
彼らのコーナーにたどり着くまでの道のりには、最近少し気になっているグループのコーナーがある。
この一枚に数字を書き込むことなく彼らまでたどり着けるだろうか。
そう考えるのと鉛筆を少し強く握りなおすのはほぼ同時で、気がつくと気になっている程度のグループの名前を書き終わっていた。
私はいま、この人のオタクだと思われているかもしれない。
ネットで買える写真をわざわざ買いに来たと思われているかもしれない。
平日の昼間から何をやっているんだろうとも思われているかもしれない。
そんなどうでもいいことを考えるのは、一枚しか持っていないこの紙をすでに使ってしまったことに意識を向けないためだ。
しかし新しい紙が必要な事実は変わらない。
最初から三枚くらいもらっておけばよかった。
きっと次来たときも一枚しか取らないであろうその白い紙を手に取りそう思った。
顔の良い同担
大手垢のプライベート
東京を三日歩けば遭遇できると思っていたあの頃
リリリリリリリリリリロード
衝撃の備え方を教わっていないので
6行だけの謝罪文
神席ではないが憧れの22番ゲートだ
リア友が同担となると話は別
雨がスケベに変わるお時間ですが
アクスタだけは持ってきた
天使かと思ったら自担
勝手にマルチアングル
夢ではたしかに付き合ってた